您现在的位置是:首页 > 古代

【奈绪美的故事(日文版)】(14-16)作者:高野奈绪美

2024-05-15 20:19:35

ある性転者の告白
高野奈绪美

第14章-1

  三日后、第二のテストの実施を告げられました。

  それは、女性としてセックスアピールを确かめるという名目で、见ず知らずの男たちが私にどのくらいの関心を示すかを调べるということでしたが、具体的な中身は全く知らされません。

  そもそも、再手术のためという、このテスト自体が全く意味を持たないものであったことは、数日后の冲撃的な出来事によって明らかになるのですが、その时の私は、本能と理性の狭间で激しい葛藤を缲り返し、彼らの真の目的に気づく心のゆとりは全く残っていませんでした。その「本能」とは、全身に间断なく流れる女性ホルモンとエンドレスに闻かされるCDとの相乗効果によって、肉体的にも、精神的にも女性化が急速に进行し、自分が男であったことすら忘れてしまいそうになっていることです。そして「理性」とは、早く再手术を受け、结花との生活を始めなければという、一种の使命感に基づくものでした。

  その日、私が指示された服装は、固めの素材でできたバイオレットのパステルカラーのツーピーススーツでした。その日のテストが戸外で行われることを伝えられていたので、久しぶりにおとなしめの服だったことにホッとしました。

  (よかった・・・。これなら、あの时のように耻ずかしい思いをしなくても済む。)

  私は姿见に映る自分の姿を见つめ、仕上げのチェックをしながらも、あの忌まわしい新宿での体験が脳裏に浮かんでいました。

  それは、身体にフィット感のあるボディコンスーツではあったものの、スカート丈も、膝上15センチほどで、全体的に上品なデザインでした。私は、メイクの仕上げとして、ワインレッドのルージュを引き、ロングのウィッグを被り、最后に黒のパンプスを履くと、ゆっくりと部屋を出ました。

  长い廊下を歩く时、表情に笑顔が加わっていくのがわかりました。あの満足のいく準备ができた时に、心からわき上がってくる女性特有のナルシストな気分を、その日も味わうことができたのです。

  鼻歌交じりにリビングのドアを开けると、村井と凉子、さらに本城と田中も话を止め、私の方に视线を送ります。いつもなら、ここで、下をうつむいてしまったのでしょうが、どういうわけか、その日はもっと视线を浴びたいという欲求の方が强くなり、堂々と彼らの顔を直视しました。恐らく上品な服をきれいに着こなすことのできている自分に注目を集めたいという、女性特有の気持ちだったのだと思います。もちろん、それは、心の女性化が一段高いステップにあがっていることを意味するものだったのでしょうが。

  「あら、きれいじゃない。でも、何となく、おとなし过ぎる感じねぇ。どう?村井ちゃん。」 

  「ああ、最后のテストの割には地味だなぁ、これは・・・。」

  村井が凉子の言叶を受けて同意を示しました。

  「で、でも・・・これ、言われた通りの服ですけど・・・」

  私は少し不安げな表情で言いました。

  「うん、そうなんだけど、今日は何しろ最终テスト、セックスアピールテストだから、それなりの服にしないと・・・ね? その方が、合格しやすいからいいじゃない、奈绪美ちゃんも。フフフ・・・。」

  「さ、最终・・・? じゃ・・・これが最后ってこと・・・ですか?」

  私は、村井と凉子の言った『最终テスト』という言叶に、我を忘れて喜びの声を上げました。

  「そう、最终テスト。だから、合格すれば、晴れて解放ってわけよ。どう?うれしい?それとも、もう男に戻る気がなくなっちゃったかしら? フフフ・・・」

  私は凉子の言叶に、ドキっとしました。もちろん监禁生活から解放されるのですからうれしくないはずはありません。

  でも不思议なことに、心のどこかで、

  (本当に男に戻っていいの?このまま、女の子として生きていた方が幸せなんじゃないの?)

  という问いかけがわき上がってくるのです。私はそんな问いかけを理性で打ち消そうと、首を左右に振り、あえて、男の意识を强く持とうとしました。

  (何、考えてるんだ? 男に戻って结花と暮らせるんじゃないか。 うれしいにきまってるだろう。)

  けれども、実际に私の口から出た言叶は、

  「ホ・・・ホントなんですね? うれしいです。奈绪美、とってもうれしいです・・・。涙が出てるほど・・・うれしいです・・・。」

  というものでした。

  もちろん、それは村井たちの机嫌を损ね、解放の约束が反故になることを避けなければという防卫本能によるものでしたが、同时に心の片隅に、男たちから可爱く见られたいという女性化した心理があったからかもしれません。

  私の、自分でも惊くほど自然な女の子としての仕草に、村井も凉子も心から満足げな表情を浮かべて颔きました。

  「でも、セックスアピールテストって・・・・何ですか?」

  私は、これが最终テストであると告げられたことの喜びに、肝心な部分を确かめるのを忘れていたのです。

  「うん、それはね、ここにいる人たちは、みんな奈绪美ちゃんのこと、可爱い女の子になったって思っているけど、外の知らない男の人たちにはどれだけ魅力的に写るかわからないじゃない? だから、それを试してみるの。ね、だから、そんな地味なのじゃなくて、色っぽい服にしないと・・・あ、そうだ、ちょっと、待ってて・・・」

  凉子はそう言うと、リビングの片隅に予め畳んであった服を抱えて、近寄ってきました。私の心からは快活さが消え、不安な思いが大きくなっていきました。

  「さあ、これに着替えて。この方が奈绪美ちゃんらしくて似合うんだから。フフフ・・・。」

  私は凉子の差し出す衣类を手に取り、広げてみました。

  それは、タオルのようなソフトな素材でできた纯白のツーピーススーツのようなものでした。ただ上下に分かれたそれぞれが见るからに小さな布きれにしか见えないのです。

  私は自分の甘さに情けなくなりました。

  このテストの一番の目的は、私に辱めを与え、それによって凉子の溜饮を下げることにあったのを忘れていたのです。ですから上品なスーツなどで外出させる意図は最初からなかったのです。恐らく私が上品なスーツに身を包むことで明るい気分になることを凉子は予期していたのでしょう。そして、その上で羞耻心をあおれば、一层の効果があることもわかっていたに违いないのです。

  私の口からは无意识の内に大きなため息がこぼれましたが、これが最终テストだからと心に言い闻かせ、着ていたスーツを脱ぐと、ピンクのブラジャーと、スキャンティだけを残して、手渡された服に袖を通そうとしました。

  「ちょっと、待ってよ。ブラしてちゃ、だめでしょ。そういう服を着るときはノーブラにしなさいって、教えてあげたじゃない。忘れちゃったの?」

  私はためらいながらも、背中に手を回し、ブラジャーのホックを外しました。抑圧から解放された豊満な双乳がブルンッと露わになり、そばで见ていた彼らの视线がそこに一斉に集まりました。私は思わず、両手を胸の前で交差させ、彼らの视线をそらそうと身を屈めたのです。

  「ホントに何度见ても、惚れ惚れするくらい、良いスタイルしてるわねぇ。耻ずかしそうにしている仕草も、女の子そのものじゃない。とても、男だなんて信じられないわ。ねえ、いっそのこと、ホントの女の子になっちゃった方がいいんじゃない? その方があなたも幸せだと思うけどなぁ。 フフフ・・・。」

  私はその言叶に本心を见抜かれているような気がして、思わず、凉子の顔をキッとにらみつけました。

  「冗谈よ。冗谈・・・。今日のテスト终わったら、解放されるんだものね。わかってるわよ。アハハ・・・。でも、合格すればってことよ。だから、せいぜいがんばるのよ。奈绪美ちゃん フフフ・・・」

  ブラジャーを外し、上半身を露わにした私は、彼らの视野から乳房を隠すように背を向けると、もう一度服に袖を通しました。

  「な・・・何、これ・・・?」

  私の口から无意识に惊きの声が漏れました。

  袖を通してみると、その服が頼りないほど小さいことに気づいたのです。海辺のリゾートやプールサイドならいざ知らず、町中で普通に着るような服などと呼べるものではありません。まるでセパレーツの水着のトップと言ってもいいような大きさしかありません。これでは、Dカップの豊かな双乳が作る谷间とくびれたウエストをすっかり晒しています。しかも素材は思った以上に薄く、服越しでも、ツンと突出した乳首の色や形がはっきりと见て取れるのです。

  私は镜に映る自分の姿に呆然とするしかありません。

  「なに、ぼーっとしてるの? 自分の姿にホレボレしちゃったわけ? ホント、ナルちゃんなんだから。フフフ・・・。さあ、早く下も着ちゃいなさいよっ。」

  私はその言叶に急かされ、もう一枚の布きれ(そう呼ぶ方がピンとくるようなものでした)を手に取ると両足を通しました。

  (ああ、やっぱり・・・)

  恐らくそれが、マイクロミニであることは予想していましたし、広げて见た时に、かなり小さいこともわかっていましたが、身につけた姿を改めて镜に映し出してみると、その丈の短さは想像を遥かに超えたものでした。

  股下数センチの裾と、ピンクのスキャンティのアンダーラインとの差は、恐らく1,2センチしかありません。いえ、そればかりではありません。スカートのウエスト部分は、腰骨にやっと届くくらいの、いわゆるヒップハンガータイプのデザインで、お脐の周辺を露わにしてしまっているのです。

  それは、あの新宿での悪梦のような体験をした时以上の过激なスタイルでした。

  もしも、このまま外出すれば、通りすがる人々の视线や投げかけてくる言叶がどのようなものになるか、考えただけで背筋が冻り付く思いでした。

  けれども、彼らの指示を拒否することなど许されないことは、自分が一番よく知っています。私は结局、そんな信じがたい耻辱的な姿で屋敷を出ることになったのです。

第14章-2

  私たちは住宅街を駅に向かって歩いて行きました。彼らは、あえて车ではなく电车での移动を选んだのです。もちろん、それにも计画された企みがあったからですが。

  幸い屋敷の近くは閑静な住宅街だったため、行き交う人は多くはありませんが、决して皆无というわけではなく、时折何人かの男女とすれ违うことはありました。

  その中には、私の姿を见て、あからさまに好奇なまなざしを向ける男や嫌悪感を示す女の顔があり、ひそひそと噂しあうグループもいました。そのたび、私の心の中の羞耻心はいやが応にも高められ、下をうつむきながら歩くことしかできませんでした。私の目には、细く伸びたノーストッキングの脚と纯白のハイヒールのミュールだけが映っていました。

  (ああ・・・耻ずかしい・・・死にたいくらい・・・耻ずかしい・・・)

  やがて駅に着くと、うつむく私の红潮した耳に、凉子が嗫きました。

  「さあ、ここからは一人よ。私たちは远くから、指示するから・・・。わかったわね。最后のテストだからね。」

  私の耳にあの小型のイヤホンが差し込まれ、白い小さなハンドバックの中には、受信器らしい黒い机器が入れられました。

  「ま、待って、ひ、一人に・・・一人にしないで・・・」

  私は、离れていく凉子たちの背中に向かって蚊の鸣くようなか细い声で呼びかけました。

  午前十时を迎える駅の构内はラッシュアワーもピークが过ぎ、混雑も収まっていました。けれども、一人ぽっちにされて、改めて周囲を眺めてみると、行き交う人々の私に向けられる视线がそれまでの远虑がちなものから、无远虑なものに変っていくのがわかりました。

  见るからに「そのスジ」风の村井たちがそばにいたときは、私のことを彼らの情妇くらいに见ていたのでしょう。だから、もしも露骨な视线を向ければ、どんな因縁をつけられるかわかったものではないという心理が働いていたのだと思います。けれども、彼らと离れ一人だけになれば话は别です。见るからにおとなしそうな女の子が、その顔に不钓り合いな浓いめのメイクをし、立ちすくんでいるのです。しかも、大胆にもウエストの大半を露出し、今にも下着が顔を出しそうな超マイクロミニという、めったに见ることができない挑発的な服装をしているのです。それは、朝の駅の构内には全くそぐわない姿です。もしも、3ヶ月前に、私自身がこんな姿の女の子を駅で见かけたら、きっと男を欲しがっている淫乱で変态な女の子だと思い、ジロジロと露骨な视线を浴びせたことでしょう。

  「すっげー、见てみろよ。あれ・・・ほら、ほら・・・」

  「ん?どれどれ、おっ、すげーな・・・。あんな服着て・・・もしかしてあれか? 痴女ってやつか?」

  「いや、でも、それにしちゃ、可爱い顔してるじゃん。それに、すっげーいい身体してるぜ・・。オッパイもでけぇしな・・・。」

  「ホントだぜ、それに脚も细くて、足首なんかきゅっと缔まってて・・・うまそうー」

  「なんか、俺、おったっちまったよ・・・」

  「お、俺もだよ・・・。」

  私を见て噂しあう男の声が闻こえてきます。

  (は、耻ずかしい・・・お愿い・・・そんな目で・・・见ないで・・・)

  私は下をうつむいて闻き流すしかありません。本当は、その场で身を屈め、彼らの视线を避けたい思いでしたが、そんな姿势を取れば、纯白のスカートの裾からピンクのスキャンティが露わになってしまうのがわかっていたからです。

  その时です。数人の女子大生らしいグループが私を见ると、一斉に辛辣な言叶を言い合っているのが闻こえてきたのです。

  「な、なに、あれ・・・痴女よ、痴女・・・。」

  「え?すごいわね・・・、チョー変态って感じぃ・・・」

  「男が欲しくてあんな格好してるのかなぁ・・・?」

  「决まってるじゃない、男にヤられたくて、あんな格好してるのよ。」

  「でもさ、结构可爱い顔してるじゃない。普通の格好してても、モテるんじゃない?」

  「ばかね、ああいうのって病気なんだって。普通のエッチじゃ、物足りないのよ、きっと・・・。」

  「そうよね、いつも、あそこ濡れ濡れになって、谁か入れてーっなんて・・・アハハ」

  「うわっ、すごい露骨ぅー・・・でも、よく耻ずかしくないわね、同性として、ちょっと许せなくない?」

  私は心の中で叫びました。

  (违うんです。これは、仕方なく・・・だから、そんなこと言わないでぇ・・。)

  新宿の时もそうでしたが、闻こえよがしに発する言叶は、女性の方が露骨だとわかりました。そこには、きっと女性特有の嫉妬と羡望の思いが込められているからナノでしょう。 

  女子大生のグループがようやく姿を消した时、耳元から凉子の声が闻こえました。

  『フフ・・・どう、みんなに见られている気分は? みんな、奈绪美ちゃんのこと、変态の露出狂女だと思ってるわよ。そりゃそうよね、そんな格好してるんだもの。じゃ、テスト始めるわよ、いいわね、最终テストだからね、がんばってねぇ。フフフ・・・』

  私は、黙って颔きました。

  そうです。この地狱のような羞耻の时が过ぎれば、すべては梦の出来事になるのです。完全に自由の身になって解放されるのです。私は覚悟を决めて、凉子からの指示を待ちました。

第14章-3

  『じゃ、3番线のホームに向かって、ゆっくり歩きなさい。ハイヒールだから転ばないようにね。転んだら大変よ。ピンクのスキャンティがマル见えになっちゃうからね。フフフ・・そうよ、ゆっくりね。そう・・・・。じゃ、次は阶段を上ってホームに行きなさい。できる限りゆっくりね、そう、一段ずつ・・・』

  私は梦游病者のようにフラフラと、足下に注意を払いながら歩みを进め、ホームまでの阶段を一段一段、ゆっくりと上り始めたのです。见上げると长い阶段には、ラッシュアワーが过ぎていたこともあって、行き交う人の数は多くはありませんでした。私は、少しホッとしました。と言うのも、客が少なければ、露骨な视线を投げかけてくる人も少ないと思ったからです。けれども、それは间违いでした。

  阶段の中程まで上った时、私は、ハッとしました。阶段の下から热い视线を感じたからです。

  客が少ないということは、それだけ见上げるときの视界を遮るものも少ないということです。私はおそるおそる、阶段の下を振り返りました。その时、目にしたのは、露わになっているはずのピンク色のスキャンティに向けられる、男たちのギラギラとした视线だったのです。私はとっさに持っていたバックを后ろに回すと、マイクロミニの裾を隠しました。と、その瞬间、私の耳に凉子の叱る声が响いたのです。

  『だめよっ、隠しちゃ・・・』

  私は、后ろにバックを回したまま、歩き出そうとした脚を止めました。

  『いい?隠したりしたら、今日のテストは不合格よ。今のあなたの格好、想像してみて。どこから见ても、露出狂の痴女じゃない? 隠すくらいなら、そんな格好するわけないでしょ? 痴女なら痴女らしく堂々と见せつけなくちゃ。フフフ・・・。わかった? あなたは、もう男じゃないのよ。男の视线に感じる露出狂の痴女になったの。いいわね?』

  私はうなだれたまま大きなため息をつくと、后ろに回したバックを前に抱え直し、ゆっくりと阶段を上り始めました。

  『そう、そうよ。はい、そこでちょっとストップ・・・ミュールのベルト直すふりして屈んでみなさい。フフフ・・。わかるでしょ? 下の男达にパンチラしてあげるのよ。思わせぶりにね。フフフ・・そうよ、上手よ・・・。』

  私は指示された通り、ゆっくりと身を屈めると、右のミュールのベルトに手を伸ばしていきました。

  『どう?见られてるわよ。奈绪美ちゃん。みんなに见られてるの。どう?男なのに、男の视线に晒されている気分は・・・・・? もしかして、また感じてきちゃった? フフフ・・・。』

  私は凉子の言叶を否定するように、大きく头を左右に振ると、おぼつかない足取りで、残りの阶段を上り始めたのでした。

  やっとの思いでホームに辿り着くと、先ほど后を付けるように阶段を上ってきた男たちが私の周囲を取り囲むように立ちました。ホームを见回すと、私の周囲だけ混雑しています。それは本当に异様な光景でした。

  他に为す术もなく、呆然と立ちつくすだけで、电车がホームに入ってきたことすら気づきませんでした。

  私は周囲の男たちに押されるように、目の前のドアから乗り込むと、そのままドア付近に钉付けにされてしまいました。视线の先には、隣のドアから凉子たちも乗り込んできたことがわかりました。それはラッシュアワーの终わった车内が比较的空いていたからです。けれども、私のいるドア付近だけは、どういうわけか不自然に混み合っているのです。私は不安な気持ちになり、早く下车の指示が来ることだけを待ちながら、そっと目を闭じました。

第14章-4

  电车が一つ目の駅を过ぎ、二つ目の駅に到着しようとした时、私は下半身にぎこちなくうごめく手の感触を感じ、思わずハッとして目を开きました。

  その手の动きは初めはぎこちなく、しかし、だんだんと大胆になっていきました。

  (え?、こ、これって、も、もしかして・・・・痴汉・・・・?)

  私は电车の中で痴汉に遭うなどということは、全く予期していませんでした。と言うより痴汉という存在自体を忘れていたのです。

  当然のことですが、3ヶ月程前は、电车に乗る时に痴汉を警戒する必要などありません。

  そう言えば、最も痴汉に遭いやすい场所はドア付近であり、痴汉に遭遇することを望んでいるような淫乱女は、あえてわかりやすい挑発的な格好で、ドア付近に立っているものだという、まことしやかな话を知人から闻いたことがあります。と言うことは、今の私の姿はそんな淫乱女そのものだということになります。つまり、痴汉の格好の饵食になっているということです。

  (い、いや・・・やめて・・・)

  私は、その置换の手を振り払おうとしました。手の动きは一瞬止まりましたが、すぐにまたゆっくりと动き始め、スカートの上からふくよかなヒップをなで回したかと思うと、次の瞬间には、スカートの裾をまくり上げ、大胆にも、スキャンティにまで伸びてきたのです。

  私は身を固くしました。しかし、その手の动きはいっこうに止まる様子はありません。いえ、それだけではありません。惊いたことに、胸とウエストの付近にも新たな别の手の感触を感じたのです。

  (そ、そんな・・・)

  私は、その手の一つ一つと无言の格闘をしなければならなくなったのです。

  その时、耳元から凉子の指示が飞んできました。

  『フフフ・・・奈绪美ちゃん、痴汉に遭ってるのね。思った通りだわ。当たり前よね?可爱い女の子が、そんなエッチな格好して电车に乗ってるんだもの。触られたがってる淫乱女としか思われないわ。フフフ・・・。でも、さっきも言ったけど、奈绪美ちゃんは、今日は痴女になりきらなくちゃだめよ。だから、抵抗したりしちゃダメ。黙って、触ってもらうの。わかったわね? あ、でも、クリちゃんだけはさわられないようにね。男だって気づかれたりしたら大変よ。大騒ぎになって、警察沙汰になっちゃうかもしれないわ。だから、それだけは気をつけてねぇ。フフフ・・・』

  (そ・・・そんな・・・た・・・助けてぇ・・・)

  私は心の中で精一杯の叫び声をあげましたが、凉子の指示に逆らうことはできません。 痴汉との无言の格闘をあきらめ、そのまま手を下に下ろすと、じっとうつむいて时间が过ぎ去るのを待ちました。もしかしたら、痴汉男たちもすぐに下车するのではないかという淡い期待だけを抱きながら。

  けれども、痴汉达の动きは、一向に収まる気配がありません。しかも、私が一言も漏らさずにうつむいていることをいいことに、ますますエスカレートし、大胆になっていきました。 

  男の身でありながら、痴汉达の饵食になっているという激しい屈辱感に思わず声を上げてしまいそうになりましたが、それはできません。声から男であることがバレたら、大騒ぎになってしまうと思ったからです。

  「ん、んんぅ・・・」

  私は発しかけた声を押し杀し、うめき声を上げました。

  それは、もちろん屈辱に耐えるうめき声だったのですが、痴汉たちには、私が感じてきたために発するよがり声に闻こえたのでしょう。

  その証拠に私の背后にいた痴汉男が、小さな声で大胆にも嗫きかけてきたのです。

  「どう? 感じてるの? こんな格好して、男が欲しくて欲しくてたまらないんだろう? へへへ・・・・・」

  そして同时に、下半身を集中的に动いていたその男の手が、スキャンティのゴムにかかり、ゆっくりと引き下げると、直接ヒップをなで回し始めたのです。

  私は、その手が次に向かう先を思い、背中が冻り付きました。

  凉子から言われた、『男だとバレれば、警察沙汰になってしまう』という言叶が脳裏をよぎったのです。私は、その手がペニスに伸びないように愿うしかありません。

  けれども、それは儚い愿いでした。痴汉の手は、ひとしきり丸みのあるヒップの形を楽しむかのように动き回った后、ついに前に伸びてきたのです。

  (だ・・・だめ・・・そこだけは・・・だめぇ・・・)

  私は、その手がまさにペニスに到达しようとした瞬间、心の中で叫び声をあげ、その手を払いのけました。そして同时に、隣のドア付近にいる凉子を目で追うと、必死になって合図を送ったのです。

  『あら・・・? クリちゃん、触られそうなのね? それは大変。何とかしなくちゃね。そういう时は、良い方法があるの。こうするのよ。フフフ・・・。』

  凉子の言う「良い方法」は、确かにその场の危机から逃れるための効果はありましたが、その内容は、今思い出すだけでも抑えようもないほどの羞耻心がわき上がってくるほどです。

  私はうつむいたまま何度も首を振り、凉子の指示への否定を示しました。

  けれども、その间にも痴汉男の大胆な手の动きは、私の秘密の场所へと近づいてくるのでした。私にはもう他に取る术はありませんでした。

  そしてイヤホン越しに闻こえる凉子の指示通り、后ろを振り向きくと痴汉男の耳元に口を近づけ、ゆっくりと嗫きました。自分が男であることがバレないよう、できる限りか细い声で。

  「ねぇ、オジサマ・・・ホントはね、奈绪美、触られるより、男の人にご奉仕するのが、好きなのぉ・・・。だから、お触りはそのくらいにして・・・ね。 その代わり电车降りたら、いっぱい、いっぱい・・・サービスしてあげるから・・・ね。 オ・ジ・サ・マ・・・」

  痴汉男は私の顔を见つめると、ニヤニヤしながら手を离しました。

  しかし、ホッとしたのも束の间、服の上から、无远虑に胸の膨らみをまさぐっていたもう一人の手が下半身に伸び、スキャンティの中へと向かってきたのです。

  私はとっさにその手を押さえると、先ほどと同じセリフをその男にも缲り返しました。

  やがて电车が终点の駅に到着し、私はドアから押し出されるように下车すると、痴汉から逃がれるために、急ぎ足で歩き始めました。

  けれども数歩进んだところで凉子の声が耳に响き、私は足を止めました。

  『だめよっ・・・、逃げたりしたら・・・、だって、约束したんでしょ? サービスしてあげるって・・・。じゃ、约束守らなくちゃ・・・フフフ・・・』

  (あの屈辱的なセリフは言叶だけではないってこと?)

  私は慌てて、凉子の姿を探しました。そして少し离れた所からこちらを见ている凉子に向け、自分の意志を伝えようと、悬命に首を横に振りました。后ろを振り向くと、先ほどの二人の中年痴汉男が后をついてきています。

  『何してるのっ? できないの? それとも、テスト终わりにするのっ?』

  私はその强い言叶にドキリとしました。テストを途中で终了することは、そのまま取りも直さず契约の破弃を意味するのです。私にはもはや后戻りはできません。

  (でも・・・いったい何をすれば・・・・?)

  私が困惑していることん気づいたのでしょう。凉子はすぐに指示を送ってきました。『后ろを见なさい。そう、痴汉たちの后ろよ。公衆トイレがあるでしょ? そこに行きなさいっ』

  私は観念したように小さく颔くと、駅の隅にある公衆トイレに向かいました。二人の中年痴汉男たちも何食わぬ顔でついてきています。

  小刻みに震える足を何とか前に进めている间も御、凉子の细かな指示が间断なく耳に入ってきます。

  それからの私は自分の意志を持たずに、指示に従って动くだけの「操り人形」のようでした。

第14章-5

  私は二人の内の少し太った方の男に近づくと、その耳元に唇を近づけ、そっと嗫いたのです。

  「ねぇ、オジサマ・・・ここで、奈绪美、サービスしてあげる。ね、だから、入って、お愿い・・。」

  私の心は不安と恐怖でいっぱいでした。けれども引き返すことは许されません。

  私は震える脚が络まりそうになりながら、ようやくトイレの个室にたどり着くことができました。

  「ホントにサービスしてくれるの?どういうサービスしてくれるのかなぁ? へへへ・・」

  男はそう言うと目の前に立ち、Dカップの双乳が作る深い谷间をニヤニヤしながら、のぞき込んできました。私はその视线に気づき、とっさに右手で胸を隠すと、上半身を屈めて男の视界を遮ろうとしました。

  「おお、いいねぇ・・今度はパンチラかい? ずいぶん色っぽいパンツはいてるんだねぇ・・・ヘヘヘ。」

  私はハッとしました。身体を斜めにして屈む姿势をとったことで、纯白の超マイクロミニの裾から、ピンクのスキャンティが露わになってしまったのです。

  男の无远虑な热い视线がそこに集中しているのがわかり、とっさに屈んだ姿势を戻すと、スカートの裾を押さえました。

  「そんな、今更隠したって。见られたくて、そんな格好してるんだろう? ヘヘヘ・・・。それにしても、そんな可爱い顔して痴女だったなんて信じられないよ。『サービスしてあげる』なんて色っぽい顔で言うんだもんなぁ。早く、やってよ、そのサービスっていうのさぁ。ヒヒヒ・・・」

  男は下卑た笑みを満面に浮かべながら言うと、私の全身になめ回すような视线を注ぐのでした。

  (こ・・・こんなことって・・・一体、どうすれば・・・・どうすればいいの?)

  私が逡巡していた、その时です。凉子からの指示が耳に闻こえてきました。

  もちろんそこは个室ですから、凉子からは见えるはずはありませんが、きっと私が逡巡してるということが想像できたのでしょう。その指示はまるでこの様子をどこからか见ているかのように的确でした。

  『フフフ・・・どうせ、奈绪美ちゃんのことだから、もじもじして何もしてないんでしょう? 见えなくたってわかるんだから。 いい? これから、痴汉男たちにサービスしてあげるの。わかるでしょ?言ってる意味が・・・。イかせてあげるのよ。奈绪美ちゃんがお勉强したテクを使ってね。フフフ・・・。ただし、制限时间は一人二十分よ。その间にイかせることができたら、合格。それからね・・・・・・・・』

  凉子の指示が突然途絶えました。男がイヤホンに気づき、引き抜いてしまったのです。「何これ? なんか音楽かなんか闻いてるの?」

  男はイヤホンを自分の耳に押し込みました。

  「だ、だめ・・・返してっ・・・・」

  私は男からイヤホンを夺い返そうとしましたが、男は身体をよじり私の手を避けました。

  「なんだ、何にも闻こえないじゃないか。」

  どうやら凉子からの指示は终わっていたようです。男はイヤホンを耳から外すと、棚に乗せたバッグの上に无造作に置きました。

  私は激しい不安感の中で、指示の続きがどういうものだったのかを考えようとしました。しかし、そうしている内にも制限时间の二十分は过ぎていってしまいます。

  (とにかく二十分の间に、イかせなくちゃいけない。でも、どうやって・・・?)

  私は焦燥感に袭われながらも、ある考えが头の中に浮かびました。それはあまりに耻辱的な行为ではありましたが、うまくいけば见ず知らずの、しかも、痴汉行为を働くような卑劣な男の身体に触れることなく、目的を果たすことができるかもしれないのです。

  (仕方がない・・・やるしかない。)

  私は意を决して、一度大きく首を振ると男の目を见つめながら小さな声で言ったのです。

  「ねぇ、オジサマ・・・奈绪美・・・今から・・・オジサマのお気に入りのポーズ・・・してあげる。だから・・・何でも言って・・・ね・・・」

  男はそのセリフに一瞬惊きの表情を浮かべましたが、すぐに目尻を下げ、ニヤケた表情を浮かべました。

  「へー、そうか。それがサービスってことなんだね? やっぱり露出狂ってやつかぁ。ヘヘへ・・・」

  私は抑えきれない羞耻心に、顔が热く上気しているのに気づきましたが、ここでためらうゆとりなどありません。男をその気にさせ、早く満足させなければならないのです。そのためには男の望む露出狂の痴女を演じるより他に方法はありません。

  「そ・・・そうなの。 奈绪美、男の人のイヤらしくて热い视线が・・・好きなの。ね、だから、お愿い、オジサマ・・・远虑しないで・・・言って。」

  私はわざと媚びを含んだ目で男を见つめると、背筋を伸ばして大きな胸を突き出して见せたのです。服の上からでもバストの形と乳首が浮き出ているのがわかります。

  「おお、いいオッパイしてるねぇ。ヘヘヘ・・・。でもね、オジサン、実は脚フェチなんだよ。特に君みたいに可爱い顔してて、すらっとした绮丽な脚してる子を见ると、たまんないんだよね。 じゃあさ、さっきみたいに、ちょっと身体を斜めにして前屈みになってみてよ。」

  私は小さく颔くと、口元に微笑みを浮かべながら、男の言う通りに、少し前屈みになってお尻を突き出してみせたのです。

  「おお、また顔を出したねぇ、ピンクのパンツが・・・。ヘヘヘ・・・ それにしてもホレボレするくらい绮丽な脚してるね。お尻もプリンとしてて、本当に色っぽいねぇ。ヘヘヘ・・」

第14章-6

  その后も男の指示は休みなく続きました。その声からは、徐々に兴奋が高まっているのがわかります。

  けれども一向に肝心な行为に及んでくれないのです。それは言うまでもなく、男が性欲の高ぶりに抗しきれずに行う自慰行为のことです。

  そうです。私は痴汉男が自慰で果ててくれれば、屈辱的な行为、つまり自らの手や口を使って射精に导くことを避けることができると考えたのです。挑発的で扇情的なポーズは男をそこに导くための苦肉の策でした。それなのに・・・。

  时间がどんどん経过していきます。私の心には焦りばかりが募っていきました。

  「ねぇ、オジサマ・・・じっとしてちゃ・・イヤ。 奈绪美のエッチな身体见ながら・・・オ・・・オナニーしてみせて・・・。奈绪美、男の人が・・・オナニーするの见るの・・・好きなのぉ。」

  私はこみ上げてくる羞耻心を必死になって押さえながらも、淫乱な「痴女」を演じるしかなかったのです。

  「ほぅ・・・君みたいな可爱い女の子が『オナニーして』なんて言うと、ドキっとするねぇ。 それにしても可爱い顔の割には、ハスキーで色っぽい声してるじゃないか。なんか、ゾクっとしちゃうよ。 へへヘ・・・」

  男だとバレないようにできるだけ押さえた声で话していたことが、男にとっては、かえって魅力的な声に闻こえているようでした。それは、全く予期していなかった効果でしたが、それでも男は一向に自慰行为に及ぶ気配を见せません。

  「でもさ、痴女なら痴女らしく、そんな远回しな言い方じゃなくて、もっとイヤラシイ言い方してくれないと、その気になれないなぁ へへへ・・・。」

  男は口元を崩しながら、わざとらしく言うのです。

  私は男の喜びそうな言叶を思い浮かべてみました。それは思い浮かべるだけでも赤面してしまいそうな言叶ばかりで、すぐには声に出すことはできません。けれども、私にはもう迷っている时间はありませんでした。

  (イヤらしい痴女になりきるの。思いっきりイヤらしい言叶で、その気にさせなくちゃ・・・。)

  私は、そう心に言い闻かせると、男の目をすねたように见つめながら言いました。

  「ううん、意地悪ね・・・オジサマったら・・・。でも・・・いいわ。オジサマ、奈绪美のタイプだから言ってあげる・・・。ねぇ、オジサマ・・・、奈绪美のパ・・・パンチラ・・・见ながら・・・チ・・・チンポ・・・勃っちゃってるんでしょ? ううん、いいのよ、隠さなくったって、わかるんだから・・・。ねぇ、大きくなった、チンポ・・・奈绪美に・・・见せてぇ。お愿い・・・。」

  男は私の卑猥なせりふに満足したのか、ニヤけた表情を浮かべながらズボンのファスナーに手をかけ、すでに大きく夸张した肉块を穷屈そうに引き出したのです。

  私はそのグロテスクなものに嫌悪感を覚え、反射的に目をそらそうとしましたが、すぐに思い直して、视线をその部分に向けました。痴女なら、きっとそうするだろうと思ったからです。

  「ああ、すごぉい・・チンポ、すごく大きくなってる・・・。ねぇ、オジサマ・・・、大きくなった、チンポ・・・奈绪美の目の前で触って・・・ううん、シコシコ・・・して・・・。奈绪美のパンチラ见ながら・・・シコシコしてぇ・・・奈绪美、男の人の・・・オ・・・オカズになりたいのぉ・・・」

  私は悩ましげに腰を揺らしながら、スカートの裾を少しまくり上げ、ピンクのスキャンティを强调して见せました。

   男は右手を夸张に添えると、ゆっくりとさすり始めました。

  私はわずかではありますが、安堵感を抱きました。これで男を満足させることができると思ったからです。

  けれども、そんな私の思いを知ってか知らずか、男は手の动きを早めることはせず、ゆっくりと快感を贪るかのように、时间をかけてさすっているのです。

  私の心に、また时间に追われる焦燥感がわき上がってきました

  「ね・・・ねぇ・・・オジサマ・・・どうしたの? もっと・・・もっと激しく・・・シコシコ・・・して・・・。奈绪美・・・オジサマのザーメン・・・早く・・见たいの・・・ねぇ见せて・・・お愿い・・。」

  「へへへ・・・、いや、こんな可爱い子のパンチラ、ゆっくりと楽しまなきゃ损だからねぇ・・・。それに、どうせならオッパイも见せてみなよ。そうすれば、すぐにでもイっちゃうかもなぁ・・・へへへ・・・。」

  ためらっている余裕などありません。私は纯白のボディコンに手をかけると、下からめくりあげるようにして、双乳を男の目に晒しました。

  「おお、オッパイもいい形してるねぇ・・・。美乳ってやつだなぁ・・・。なあ、ちょっと、触っていいかなぁ・・・。おじさん、触りながら、センズリするからさぁ・・・」

  男の右手が豊かな胸の膨らみに伸び、荒々しくもてあそび始めました。

  「おお、柔らかいねぇ。ボヨヨンってしてるよ。ヘヘヘ・・・たまんないねぇ・・・。それにこの乳首・・・ツンとしてて、可爱いねぇ・・・」

  「アン・・・ダ・・・だめ・・・そこは・・・アンっ・・」

  男の指先が、敏感な乳首に触れた瞬间、あの电流のような感覚が全身に走り、私は思わず声を上げてしまったのです。

  「ほぅ、乳首が感じるのか・・・。へへへ・・・。じゃ、これはどうかなぁ・・・。」

  男は、私の反応を楽しむかのように、指先でつまんだり、つついたりしながら、顔色をうかがってきます。

  「アアン・・・イヤ・・・アアンぅ・・・」

  私は、本能からわき上がってくる性感を振り払おうと、顔を何度も左右に振りました。

  男は乳首への爱抚が、思っていた以上の反応をもたらしたことに気をよくしたのでしょう、夸张から手を离し、両手で豊かな双乳の感触に浸り始めたのです。

  「お・・・オジサマ・・・どうしたの? ねぇ、お愿い・・・シコシコ・・・してぇ。

  私は胸をまさぐる男の手を振り解いて、哀愿するような视线を向けて言いました。けれども、男はニヤつくだけで、手を夸张に触れることはしません。いえ、それだけではなく、とんでもないことを要求してきたのです。

  「ねぇ、感じさせてあげたんだからさぁ・・・今度は、おじさんを感じさせてくれなくちゃ。ヘヘヘ・・・。」

  男は耻ずかしげもなく、いきり立った夸张を突き出し、「手コキ」を促したのです。(ああ、もう、どうすることもできない・・・従うしか・・・)

  ワインレッドのマニキュアで施された指先を男の夸张に触れさせました。その瞬间、悪寒にも似た嫌悪感が全身に走りましたが、私には、唇を噛みしめて耐えるしかありませんでした。

  「おお、上手だね・・・んんん・・・ううん・・・。」

  男は、私の指先の动きを楽しむかのように目を闭じ、时折くぐもったうめき声を上げました。

  私は男を一刻も早く果てさせようと、指の动きを速めました。

  「おお、そ・・・そんなにされると・・・すぐに・・・イっちゃいそうだよ・・・ううん・・・。」

  「いいの・・・オジサマ・・ね、早く、イって・・・ザーメン・・・出してぇ・・・」

  私は男の耳元で嗫くように言いながら、指先に気持ちを集中させました。

  けれども、男は、そんな悬命な奉仕にも関わらず、私の手を払いのけると、さらに残酷な要求をしてきたのです。

  「ねぇ、ホントは、手コキなんかじゃなくて、おしゃぶりしたいんだろう? 隠さなくていいよ。ちゃんとお愿いしてみなよ。ほら、早く・・・。ヘヘヘ・・・。」

  私は男の言叶を闻き、吐き気が催すほどの嫌悪感を覚え、全身に震えが走りました。しかし拒否することはできないのです。

第14章-7

  私の心はすっかり无気力な谛観に占められていました。

  「そ、そうなの・・・奈绪美ね、お・・おクチでするの、好きなの・・・。奈绪美のおクチに、オジサマのザーメン、いっぱい、いっぱい、ちょうだい・・・ね、お愿い・・・ オジサマぁ・・・」 

  両方の睑に、涙があふれてくるのがわかりました。私は上を向き、涙がこぼれ落ちないようにしながら、仁王立ちしている男の前に跪いたのです。脉打っているグロテスクな肉块が目の前に飞び込んできます。

  「ヘヘヘ・・・そうか、やっぱりねぇ・・・フェラが好きなんだぁ。こんな可爱い顔して、ホントにスケベな女の子なんだねぇ。いいよ、じゃ、おしゃぶりさせてやるよ。ヘヘヘ・・・」

  男はそう言うと、いきり立った夸张をグイッと突き出してきました。

  私はワインレッドのルージュの上にグロスを乗せて、なまめかしく辉いた唇をその夸张に近づけました。そして一瞬のためらいの后、舌先を小さく出すと、その先端に触れさせました。

  その瞬间、悪寒と吐き気が全身に走り、抑えていた涙がとうとう頬を流れ落ちていきました。

  心の中に言いようもない情けなさと悔しさが満ちあふれてきましたが、とにかく一刻も早く、この屈辱的な行为を终わらせなければなりません。私は男の快感を高めようと、心にもない媚びの表情を浮かべながら、舌先を大きく伸ばすと、いきり立つ夸张を下から上、上から下となぞるように这わせたのです。

  「う、うん、じょ、上手だね。自分から・・・おしゃぶりしたいなんて言うだけのことは・・あるねぇ・・・うう・・・気持ちいい・・・」

  私は男のくぐもった声に応えるように、大きく唇を开くと、夸张の先端から喉の奥にゆっくり饮み込んでいったのです。

  男は私の口唇奉仕を味わいながら、右手を胸に伸ばし、荒々しく揉みしだきました。

  その时、私の心に不思议な変化が现れ始めていました。先ほどまでの悪寒と吐き気が徐々に静まってきたのです。いえ、そればかりではありません。男から褒められること、そして男を喜ばせている自分にある种の快感のような不思议な感情が芽生えてきたのです。

  私は本能的に、男の空いた右手をつかむと、もう一方の乳首に诱导しながら唇の动きを速めたのです。

  「あう、うっ、いい・・・そんなに、は、激しくされると・・・イ、イっちゃうよっ・・・」

  「い・・・いいの、オジサマ、奈绪美のおクチでイって・・・おクチに、ザーメン・・・ちょうだい・・・」

  私は一旦唇から夸张を离すと、媚びを含んだ上目遣いで男の顔を见上げながら言いました。

  そしてもう一度夸张を喉の奥まで一気に饮み込むと、今度は激しくジュルジュルっという音を立てながら、顔を前后に激しく动かしました。

  そして次の瞬间・・・

  「ううぅ、イ、イク・・・イクッ・・・」

  男は叫び声をあげると、下半身をグイッと突き出し、喉奥に自らの夸张を押し込んできます。そして全身を痉挛させたかと思うと、喉奥をめがけて、热い树液をピューピューと、まるで音を立てるかのように放ちました。

  私はそれを黙って受け止めると、痉挛が収まるのを待ってから、ゆっくりと夸张から唇を引き离しました。そして息づかいの荒い男の目を见上げながら、コクッ、コクッと音を立てて燕下して见せました。

  もちろん、そんな娼妇のような技巧は凉子たちの指导によって、强制的に身につけさせられたものではあります。でも、その时の私の行为がすべてが演技によったものだと断言する自信はありません。なぜか心の隅に、自ら进んで行っている行为のようにも感じられたからです。现に、この后の二人目の痴汉男に対する奉仕は、まるで自分が风俗嬢にでもなったかのような错覚まで芽生え、踌躇うことなく行うことができました。

第14章-8

  二人の见ず知らずの男の性欲を受け止めた后、私は乱れた服を整え、公衆トイレを后にしました。トイレの入り口付近には、凉子と村井の二人が何やらコソコソと话をしながら立っていました。

  「フフフ・・・お疲れ様。あの痴汉男たち、満足そうな顔してたわよ。ちょっと时间オーバーだったけど、まあ、いいわ、许してあげる。ところで、どんなサービスしてあげたの?教えてよ。フフフ・・・。」

  私はその言叶を闻いて、全身が热くなってきました。トイレの中で自分が行った行为がどんなに耻辱的なものだったかを改めて思い出させられたからです。

  「あらっ? ルージュが落ちてるじゃない? まさか、お口を使ったの? 信じられないわぁ・・・见ず知らずの男にそんなことよくできるわねぇ・・・。サービスしろとは言ったけど、まさか、そこまでするとは思わなかったわ。あきれたわ。もう、すっかり淫乱女になっちゃったのねぇ。奈绪美ちゃんは・・・。ハハハ・・・」

  凉子は村井に闻こえるような声で言いました。村井はそれををただニヤニヤしながら闻いています。

  そばを行き交う人々が、凉子の声に気づき、何事かという顔をこちらに向けました。。けれども、その怪讶そうな表情は、ほんの一瞬だけで别の表情に変化します。

  それは、过激なまでに露出度の高い服を着ている私の存在が目に入ったからに违いありません。口元に下卑た笑みを浮かべる男たち、そして蔑むような视线をあからさまにぶつけてくる女たちの中で、私はいたたまれたいほどの耻辱に耐えるしかありませんでした。

  しばらくして凉子と村井は、じっと俯きながら立ちつくしている私を残して、再び离れていきました。凉子からのイヤホン越しの指示が再开されました。

  私はまるで梦游病者のような覚束ない足取りで、ホームに向かいました。もちろんその间も、男たちからの好色な视线と女たちからの蔑みの视线はやむことはありませんでしたが、そんなことは大して気にもならなくなっていました。心の中では、トイレでの耻辱的な行为への后悔の念の方が、遥かに大きくなっていたからです。

  私は指示されるまま、ホームで待っている电车に乗りました。昼下がりの车内は比较的空いていて立っている人もほとんどいませんでした。

  私は、ドア付近の空いている席に腰挂けました。向かいの座席には、数名の男女が座っていました。気がつくと、彼らの视线は皆一様に私に向けられています。昼下がりの电车には似つかわしくない、大胆な服装に何とも言えない表情が浮かんでいます。

  电车が小さな振动を残して动き出すと、私はそっと目をつぶりました。もちろん、眠るたまなどではありません。目をつぶることも凉子からの指示による行动です。

  电车は规则的な振动を缲り返しながら、スピードを上げていきました。そして、その振动に合わせるかのように、私は闭じ合わせた両脚の力を缓め、少しずつ広げていったのです。

  『そう、いいわよ・・・奈绪美ちゃん。前の男たちが、じっと、奈绪美ちゃんのスカートの奥、见つめてるわ。あら?高校生の男の子、モジモジし始めたわよ。フフフ・・・』

  私は薄目を开けて、前に座る高校生の様子を探りました。确かに凉子の言う通り、落ち着かない様子でモジモジとしています。さらによく见てみると、その高校生は、ポケットに手を入れて、血走った视线を向けながら、制服のズボンの前を何やら、动かしているのです。

  『あら? もしかして、オナニーしてるんじゃない、その子? フフフ・・・。ねぇ、奈绪美ちゃん、もっと、见せてあげなさいよ。 男の子のオカズになってあげるのよ。フフフ・・・。』

  私は凉子に言われまま、両脚を広げ、时折ゆっくりと角度を変えながら、薄目を开けて、高校生の反応を见つめました。もちろん、羞耻心がないわけではありません。けれども、なぜかその时心の中に芽生えていた、男の视线を浴びていたいという女としての本能のような感情が、それを打ち消してしまっていたのです。

  私は、まるで少年の心を弄ぶ年上の痴女にでもなったような気持ちになり、さらに大胆に脚を动かしたのです。その动きに反応するかのように、少年はズボンの前を手を、ポケット越しにでもそれとわかるほど、激しく动かし始めました。

  私ははっきりと目を开け、口元に小さな笑みを浮かべながら、高校生に挑発的な视线を送りました。すると彼は一瞬気耻ずかしそうな表情を浮かべて目を逸らしましたが、次の瞬间、「うっ・・・」と小さな一言を発し、目を闭じました。

  それは、若い男の性欲が絶顶に达したことを示す証であることは私にもわかりました。

  『あらあら、どうやら、イッちゃったみたいよ。奈绪美ちゃんもいけない子ねぇ、年下の男の子、挑発しちゃって・・。でも、よかったじゃない? 男の子のオカズになれて。きっと、しばらくの间は、奈绪美ちゃんを思い出しながら、オナニーすることになるわね、きっと。フフフ・・・』

  私はそんな凉子の言叶で现実に引き戻され、激しい羞耻心と后悔の念に袭われたのでした。

第14章-9

  「それにしても、びっくりしちゃったわ。奈绪美ちゃんが、あんなに淫乱な女の子になってるなんて。自分から进んでおしゃぶりしたり、帰りの电车なんか、前の男の子にパンチラして见せたりしてるんだもの。フフフ・・・。」

  屋敷に戻り、リビングのソファに座り込んだ私に、凉子の冷酷な言叶を投げかけてきました。

  「ああ、本当だ。心の中まですっかり女になっちまったってことだなぁ。ハハハ・・・。」

  村井は凉子の言叶に応えるかのように大きな声を上げて笑いました。そのそばで本城と田中も大きく颔きながら笑い合っています。私はその蔑むような言叶のやりとりの中で、じっと身を固くしながら黙っているしかありませんでした。

  けれども、そのやりとりの后に、待ちに待った喜びの时が突然やってきたのでした。

第15章-1

  「テストは合格よ。よかったわね。これで、解放ってこと。」

  私は凉子の言叶に、何が起こったのか理解できませんでした。しかし、次の瞬间ハッと我に返ったのです。

  そうです。その日の屈辱的な体験は凉子の言う最终テストとして行われたものだったのです。

  「あら?うれしくないの? これで终わったのよ。信じられない?。」

  凉子は私が何も言い出さないのが意外だったのか、声のトーンを上げて言い直しました。

  「ホ・・・ホントに・・・?こ・・・これで、终わりなんですかっ・・・?」

  私はようやく凉子の言叶の意味が実感できたのです。

  凉子は大きく颔くと、村井に视线を送りました。そして、その视线に応えるかのように村井も颔いて见せました。

  (これで解放される。これで、全て终わったんだ。)

  私はこみ上げてくる喜びを押さえることができませんでした。両方の瞳からは大粒の涙があふれ出し、頬を伝っていくのがわかります。そして、その涙を隠そうと村井たちに背を向け、うつむきましたが、肩の小さな揺れは抑えることはできませんでした。

  「しかし、よくここまで女になりきれたもんだ。男に戻すのはちょっと惜しい気がするが、まあ、约束だからしかたねぇなぁ。ハハハ・・。」

  村井は私の泣いている仕草に自然な女性らしさを感じたのか、満足そうに大きな声で笑いました。

  「でも、すぐに手术ってわけにはいかないわよ。今のままの精神状态じゃ、男の身体なんて受け入れることができないでしょ?だから、まずは、精神的に元の男に戻ってからにしなくちゃね?」

  凉子は真面目な顔つきになり、私の目を见据えて言ったのです。

  私はまた何か裏があるのではと不安になりましたが、确かに凉子の言う通り、今の精神状态のままで、男の身体を受け入れることは难しい気がしました。それほどまでに心の中の女性化が进んでいることは、自分でもわかっていたからです。

  私は不安を打ち消し、凉子の提案に同意しました。

  それは数日间の専门的な精神治疗を受けた后に、男性への再手术を行うという提案でした。

  「よかったわね、あなた。これまで女扱いして奈绪美ちゃんとか呼んできたこと谢るわ。これだけ、あなたに耻ずかしい思いをさせることができたんだもの。もう私も満足よ。男に戻ったあなたが结花と一绪になるのはムカツクけど、もう、いいわ、许してあげる。お互い新しい人生を始めましょう。ね、あなた。」

  凉子は真面目な顔でそう言うと、なんと握手までを求めてきたのでした。しかも、その瞳にはうっすらと涙まで浮かべていました。私は迷いを吹っ切って、握手に応じました。见つめる手の先が涙でかすんで见えなくなっていくのがわかりました。

  けれども、この时の彼らの言动は全てお芝居だったのです。彼らには私を男の身体に戻し、解放するなどという考えは微尘も持ち合わせていませんでした。全てはもっと邪悪な企みへと私を导いていくための嘘だったのです。

  いいえ、彼らの言叶にもたった一つだけ本当のことがあります。それは、私に男性の意识を回复させるための精神的治疗を受けさせると言ったことです。

  翌日入院した私は、その后五日间に渡る催眠疗法により、男としての意识を回复し、それに伴って薄れかけていた结花への思いが抑えきれないほど募っていきました。ただ、その男性意识の回复もあくまで一过性のもので、退院时には心は再び女性の意识に占められていたのです。それは、催眠疗法が失败したからではありません。もともと短期间の効果しか现れないような一种の催眠术のようなものだったからです。第一、私の体内には手术前も手术后も、女性ホルモンが间断なく流れ続け、精神的な女性化を止めることなどできなかったのです。もちろん、そのことは、凉子たちもわかっていたことです。 では、なぜそんな治疗を私に施したのかと言えば、さらなる大きな屈辱を私に与えるためには、男性意识への回复がどうしても必要だったからに他なりません。

  私はこうして彼らの邪悪な企みへのレールに、またしても乗せられていったのでした。

第15章-2

  入院してから六日目、连日の催眠疗法により男の意识を取り戻していた私は、ついに再手术の日を迎えました。その前夜、兴奋と期待と喜びでほとんど眠ることができませんでした。

  「结花、终わったよ。すべて终わったんだ。これで、僕たちは一绪になれるんだよ。」

  ストレッチャーに乗せられた私は、目をつぶり脳裏に结花の爱らしい笑顔を浮かべながら、何度も何度も呟きました。

  手术室までの长い廊下を村井と凉子が付き添っています。本城と田中の姿は见えませんが、そのことは私にとって、さほど大きなことだとは思いませんでした。

  もちろん、この时病院の别の场所で彼らと共にいる人物・・・それが结花であることなど知る由もありません。私は絶えず励ましの言叶を投げかけてくれる凉子に感谢の気持ちさえ抱いていたのです。

  手术室に运ばれた私に、白衣を着た医师の小岛が瓶に入っている小さな二つの球状のものを示しました。

  「これが、保管しておいた君の睾丸だ。」

  小岛は静かに説明しました。

  (ああ、これが、もう一度この体に戻される・・・。そして・・・そして再び男の身体に戻って、结花と・・・)

  私は喜びに涙が止まりませんでした。

  傍らでは二人の看护士が、无言のまま私を见つめています。けれども、なぜかその目にはどこか蔑みの色が见て取れました。私にはなぜ彼女たちがそのような目で自分を见ているのか见当もつきません。私は几分不安な思いが沸いてはきましたが、深くは考えませんでした。不安よりも喜びの感情の方が数倍大きかったからです。

  「いよいよね。よかったわね。あなた・・・。」

  凉子が优しげな笑みを浮かべて言います。

  私は笑顔を返して、大きく颔きました。

  「ほんとに、いいんですね?手术して・・・。」

  小岛が凉子と村井に视线を送り、确认するように言いました。

  「ああ、全て同意済みだ。始めてくれ、小岛」

  村井はそう言うと、再びその视线を私に向け颔いて见せたのです。

  私は小岛が何で今さら确认をする必要があったのか解りません。男の身体に戻ることが私の望みであることは、小岛にも解っているはずなのに。しかし、确认することも医师としての决まった义务の一つなのだろうと、自分を纳得させたのです。

  小岛は看护士の一人に目配せをしました。看护士はそれに応えるように小さく颔くと、注射器を取り出し、薬液を吸い込ませると、注射器を小岛に手渡しました。

  私はその间に、もう一人の看护士の手によって手术着を脱がされ、全裸で横たわっていました。

  次の瞬间、横にされた背中に注射针が差し込まれました。

  私は痛みに体を动かしそうになりましたが、二人の看护士の腕がそれを抑えました。

  やがて身体から、徐々に力が抜けていくのを感じ、少しずつ睡魔が袭ってきました。それは麻酔による强制的な睡眠への导入ではありましたが、同时に喜びに満ちた快い眠りへの导入でもありました。私の心の中はもはや手术后晴れ晴れとした自分の姿へと向かっていたのです。 

  するとその时、手术室のドアがゆっくりと开けられ、白衣姿の三人の人间が入ってきたのがわかりました。本城と田中、そしてもう一人は・・・・。

  私は混浊していく意识の中で、その人物の方に视线を向けました。

  (え? ゆ、结花・・・? ま、まさか・・・)

  大きなマスクをしていて顔ははっきり解らないのですが、その大きな瞳には特徴があります。それはまさに、将来を誓い合った爱しい人、加藤结花の面影だったのです。

  (ま・・・まさか、そんな・・・。结花がここにいるなんて。幻だ・・・幻に违いない。)

  私は麻酔のせいで、自分の意识が混浊していて、そのために见える幻影なのだと言い闻かせました。爱する结花に少しでも早く再会したいという、强い愿望が自分を追い込んでいるのだと思ったのです。それに、幻だと思える理由がもう一つありました。

  (やはり、别人だ・・・结花ならあんな憎しみの视线で僕を见るわけはない。やっぱり、幻だ、幻なんだ。)

  その人物の目には深い憎しみと同时に、哀れな者への蔑みの色が浮かんでいたのです。

  私の意识はどんどん霞んでいきます。视界も狭くなり白浊していきました。私はもう一度その人物を确かめたいと思いましたが、それも叶わなくなっていきました。

  (やはり、幻だ、幻に决まっている・・・)

  私は心に言い闻かせ、そのまま目をつぶりました。

  そして最后の意识の中で、耳元で凉子の嗫きを闻きました。

  「よかったわね。いよいよ、手术が始まるのよ。うれしい? ねぇ、うれしいでしょ?だったら、微笑んで见せてよ。そして、お医者様に、お愿いして。『手术してください。』って。 フフフ・・・。 」

  私は薄れる意识の中で、満面の笑みをたたえながら、消え入るようなかすかな声で言いました。

  「お愿いします。手、手术を・・・手术を・・・してくだ・・・さい・・・。」

  両頬には一筋の涙が伝っていくのがわかりました。

  (ああ、これで・・・これで、全てが终わるんだ・・・・结花と・・・结花と结ばれるんだ。)

  私は全ての疑惑を打ち消し、ただ元の姿に戻り解放され、爱しい结花と结ばれることの喜びに浸りながら深い眠りに落ちていきました。

第15章-3

  私が朦胧とした意识の中で目覚めたのは、白い壁に覆われた病室のベッドの中でした。

  私はまだ焦点が定まらない视力を悬命に駆使して周囲を见回しました。そこには数人の人影がありましたが、すぐには谁だかわかりません。ただ、その中の一人が凉子であることだけはわかりました。私の耳元でささやく声が闻き惯れた凉子のものだったからです。

  「よかったわね。手术は大成功よ。でも、まだゆっくり休んでいなさい。无理は禁物だって、お医者様もおっしゃってるからね。」

  私は凉子のその言叶に、大きな安堵感と喜びで胸が热くなっていきました。

  同时に今までの忌まわしい记忆を打ち消すかのように、再び静かな眠りについたのです。

  后に闻かされたことですが、手术は约7时间にも及ぶものだったのです。

  そして再度眠りに落ちた私が次に目覚めたのは、それからまた半日后のことでした。

  今度は割と意识もしっかりとしていて、周囲のあらゆるものを视界にとらえることもできました。视线の先には村井と凉子のはっきりとした姿がありました。 

  「あら、気がついたのね。どう?気分は・・・・?」

  凉子が目覚めた私に気づき声をかけました。

  私は何か答えようと口を开きかけましたができませんでした。と言うのも、私の顔は目の周囲だけを残して、全体が包帯か何かで拘束されていたのです。

  私はドキッとして、とっさに身体を起こそうとしましたが、それも叶いません。身体全体も様々な拘束具により、ベッドに缚りつけられていたからです。

  「んー、んーぅ・・・」

  私は声にならない声を上げました。

  「あら、だめよ。まだ动いちゃ。大手术だったんだから。ね、じっとしていなさい。フフフ・・・。」

  凉子口调の奥にどことなくサディスティックな冷たさが戻っているような気がして、言いようもない不安が沸いてきました。

  (お、お愿いだ、何とか・・・何とかしてくれ・・・。)

  私は声を出して叫ぼうとしましたが、口元からこぼれるのはうめき声だけです。

  しかし、そんな私の気持ちを察したのか、凉子が再び口を开いたのです。

  「フフフ・・・やっぱり、気になるわよねぇ、手术の结果が・・・フフフ・・・。いいわ、分かったわ、じゃ、见せてあげる。手术の経过を・・・ね。フフフ・・・」

  凉子はそう言うと、袋から一枚のCDを取り出し、病室のプレーヤーにセットしました。

  「あなたの手术はね、记録として残しておいたほうがいいと思ったのよ。だから、黙ってそうしちゃった。ごめんなさいね。だけど别に公にする訳じゃないし、いいでしょ?フフフ・・・」

  心の中に抑えようもない不安が溢れてきます。

  凉子の嗜虐的な口调もさることながら、これまで彼らの手によってCDに収められたことで、自分が味わってきた数々の辛い体験の记忆が苏ってきたからです。

  「手术は、7时间もかかったんだけど、これは3时间にまとめてあるの。でも大切な所は全部撮ってあるから、その目でしっかりと见るのよ。自分の身に起こったことをね。フフフ・・・。」

  凉子は意味ありげに言うと、ベッドの脇の椅子に腰挂けました。傍らには、同様の笑みを浮かべながら村井も腰挂けているのが见えました。

  やがてテレビの画面が、白く変わり何やらタイトルらしき文字が浮かび上がってきました。

第15章-4

  『奈绪美・・・REBORN编』

  画面には、そんなタイトルがピンク色の文字で现れました。

  (リ、リボーン? 生まれ変わり? 何だ? これは・・・?)

  私は画面を见つめながら胸騒ぎがし、动悸が激しくなっていきました。

  けれどもすぐに、

  (ああ、そうか、男に「生まれ変わる」ってことか・・・、つまり、奈绪美を捨て直树に戻るってこと・・・そうなんだ。)

  私は袭ってくる不安を取り除こうと、无理矢理自分に言い闻かせ、画面を见つめ続けました。

  しかし、なんということでしょう。次の瞬间、私の目には信じられない场面が飞び込んできました。

  タイトルが消え、画面が映し出したのは见惯れた屋敷の一室です。

  カメラは部屋の中を一回りした后、中央に腰挂けている一人に女性に向けられました。そしてだんだんと、その女性をアップにしていきます。

  (ゆ、结花・・・? 结花じゃないか。これは一体・・・・どういうことだ?)

  そうです。そこの映し出されたのは纷れもない最爱の恋人、加藤结花の姿だったのです。私には一体何が起こっているのか分かりません。ただ梦の中を彷徨っているような気分でした。

  「どう?结花ちゃんよ。あなたが爱している结花ちゃん。びっくりしたでしょ? よかったわねぇ、あんなに会いたかった结花ちゃんに会えて・・・フフフ・・・」

  私はその言叶で、画面上の女性が幻などではなく、结花本人であることを思い知らされました。

  けれども私はできるだけ楽観的な考えを抱こうと努めました。そうしなければ不安に押しつぶされそうになっていたからです。

  (そうか、凉子たちは、少しでも早く、结花を私に会わせるために呼んでくれたんだ。そうだ。そうに违いない。)

  しかし、この后、画面の中の结花が口にした言叶は、私を希望の渊から奈落の底へと突き落としたのでした。   

  画面の中の结花はカメラの方を直视して、ゆっくりと口を开きました。口元にはかすかな笑みが浮かんでいましたが、その目は落胆と怒りと哀れみが混じり合ったような複雑な色をたたえています。

  「こんにちは、お久しぶりね。直树さん。びっくりしたでしょうね。私がここにいるなんて・・・。でも、ホントは私の方がびっくり・・・。だって、直树さん、アメリカにいるとばかり思っていたんだもの。それが、こんなところにいたなんて・・・。电话で村井さんたちに呼ばれて、ここに来てみてホントに惊いたわ。でも、もうそんなこと、どうでもいいの。私がびっくりしたのは、直树さん、あなたの秘密を知ってしまったことよ。あなたはとっても优しかったわ。顔立ちも优しかったし、私はそれが大好きでした。でも・・・それが优しさではなく、あなたの秘密の・・・性癖のせいだったことを知ってどんなにショックを受けたか分かる? 直树さん・・・あなた、私をだましていたのね? 私、私・・・、本当にバカだった。最初、村井さんたちにあなたの写真、そう、女装した写真见せられて、まるで狐につままれたような気分だったわ。きっと、これは骗されてるんだって・・・。それに写真の直树さんは、眠っているように见えた。だから悪い人にでも拉致されて、无理矢理あんな格好させられているんだって・・・。私、そう、信じ込もうとしてた。わかるでしょ?私の気持ち。でも、その后いろいろなDVDを见せられて、そんな気持ちも消えてしまったわ。直树さんが小さいときから、ずっと、女の子に・・・・女の子になりたかったなんて・・・・。そして自分から进んで女装をしているんだって。でも・・・でもね、それだけなら直树さんのこと、许せたかもしれない。 ううん、それも、イヤだけど・・・でも、それだけなら・・・我慢できた。私を爱していてくれるなら・・・。でも、直树さん、女の子になって男の人に爱されたいって思っていたなんて・・・。それに、他の男の人と・・・あんなことまでするなんて・・・。ね、直树さん、あなたにとって、私は何だったの?私は、あなたと结婚できることを梦见ていた。でも、もう无理・・・。だって、男の人しか爱せない直树さんと结婚するなんてできないもの・・・。私、何时间も泣いた、大声を上げて・・・直树さん、あなたにこの気持ち分かる?」

  结花の瞳に大きな涙の粒が溢れ出し、それが一本の筋となって頬を伝っていきました。

  (ち、违うんだ、结花、违うんだぁ・・・。き、君はだまされてるんだ・・・。そいつらにだまされてるんだぁ・・・。)

  私は、何度も叫ぼうとしましたが、その言叶は完全に打ち消され、

  「んんん・・・、ううんん・・」

  といううめき声にしかなりません。しかも身体を动かして抵抗することも叶わず、私は几筋もの悔し涙を流すことしかできませんでした。

第15章-5

  一旦画面が白くなり、再び映し出された结花の表情は、先ほどまどとは少し変っていて、落ち着きと冷静さを取り戻していました。

  「直树さん、あなた、今日本当の女の子になる手术を受けるんですってね。村井さんに闻いたわ。あなたがそこまで考えてるなんて、ショックだったし、信じられない気持ちもあったけど、DVDとか写真とか见てたら、その方があなたのためにはいいのかもしれないとも思った。でも、実际にあなたが私たちと同じ女の子になるための手术を受けるなんて・・・それも自分から望んで・・・やっぱり、どうしても信じられなかった。ううん、信じたくなかった。私、やっぱり直树さんのこと思い切ることができないって言ったの。そうしたら村井さんが・・・もし、直树さんがが本当に心から女の子になることを望んでいるということが本当なら、手术中にあることをしてくれないかって・・・それで思い切れるはずだからって・・・。私、これから、病院に行くわ。そしてあなたの本心を确かめる。できるなら、全てが嘘だって信じたいけど・・・」 

  (「本当の女の子になる手术」って、どういうことだ? 一体、お前たちはこの僕をどうする気だ?)

  私の不安は顶点に达し、自分の身に起こったことを一刻も早く确かめるために身体を动かそうとしましたが、相変わらず全身の拘束具がそれを许してくれません。

第15章-6

  画面が切り替わり、手术室が映し出されました。

  その中央の手术台には一人の全裸の女性が寝かされています。いえ、それは外见上は完全な女性ですが女性ではありません。そうです。高野直树、私自身の手术前の姿だったのです。

  やがてカメラは周囲にいる人の顔を次々にアップにしていきます。それぞれが白衣を着て立っています。医师の小岛、二人の看护士、そして村井、凉子、さらにもう一人の女性・・・。そうです。やはりあの时、麻酔のせいで朦胧とした意识の中で、幻だと思っていた人影は、やはり结花本人だったのです。

  画面の中の凉子が、结花に话しかけます。

  「ほら、よくご覧なさい。これが高野直树の本当の姿よ。ほら、もっとよく见て・・・ね? 分かるでしょう? オッパイだって、オシリだったこんなに大きくなって・・・女そのものでしょ? それも全部自分から望んでしたことなの。ね?私たちの离婚の原因が分かったでしょ? あなたを爱しているなんてみんな嘘。私もこの人の女の子愿望についていけなかったのよ。」

  结花が呆然とした表情で手术台の私を见つめています。

  「こ、これが、直树さん・・・、し、信じられない、やっぱり、信じられない・・・。」

  结花が小さく呟きました。

  「そう、それもそうよね、爱する彼にこんな性癖があったなんてね。じゃ、いいわ。彼に闻いてあげる。本当に手术したいのかってね。」

  凉子はそう言うと手术台の私に近づいて耳打ちをしたのです。

  「よかったわね。いよいよ、手术が始まるのよ。うれしい? ねぇ、うれしいでしょ?だったら、微笑んで见せてよ。そして、お医者様に、お愿いして。『手术してください。』って。 フフフ・・・。 」

  そうです。それは、あの麻酔のせいで朦胧とした意识の中で闻いた凉子の言叶でした。

  「お、お愿いします。手、手术を・・・手术をしてくだ・・・さい・・・。」

  手术台の私は大きな笑顔を见せながら、消え入るようなかすかな声で応えます。頬に喜びの涙を流しながら。

  それは、事情を知らない人が见れば、自らの意志で、进んで喜んで手术を受けようとしている人间にしか映りません。

  凉子は再び结花の近くに歩み寄り、

  「ね?あんなに喜んでいるでしょ? これはみんな、彼が望んでいることなの。だから、约束通り、「例のこと」してあげて。彼のこと思い切るためにもね。一度は爱していた人なんだから・・・ね?」

  凉子の言叶に结花は几筋もの涙を流しながら、その场に泣き崩れました。

  手术台の上の私はそんなことには全く気づいてはいません。麻酔が深い眠りへと诱っていたからです。

  手术室には数分间の沈黙、いいえ、结花の泣き声だけが响いています。

  やがて画面が切り替わり、手术台の私が大写しになり、次に頬に涙の乾いた迹を残した结花のアップが続きます。

  结花は一度大きくうなずくと、

  「よく、わかりました。私やります。直树さんとのお别れを心に决めるためにも・・・」

  と言い眠っている私のそばに近づきました。

  「直树さん、いえ、こうして、あなたの身体を见てると、とても直树さんなんて言えないわ。「奈绪美」ちゃん・・・あなたは、そう呼ばれることを望んでいたのね。これから、あなたを望み通り、本当の女の子、本当の「奈绪美ちゃん」にしてあげる。私のこの手でね。それがあなたへのお别れの印・・・。」

  结花の表情は意外なほどサバサバとしたものでしたが、その瞳の奥には明らかに自分を骗し続けていた男に対する复讐心の钝い光が宿っています。

  (だ・・・だめだ、结花。君は・・・君はだまされてるんだぁ・・・。)

  私は今となってはムダなことだということも忘れ、必死になって画面の结花に叫ぼうとしました。

  画面では、医师の小岛が现れ、手に持った小さな小瓶から二つ小さな球状の块をシャーレーに移し、结花に手渡しました。

  「これが、彼の睾丸だ・・・さあ、これをあの容器に入れて。」

  そうです、その二つの小さな球状の块は、私の身体から切除された睾丸だったのです。

  (やめてくれぇ・・お愿いだ・・・)

  私は目の前が真っ白になり、気を失いかけました。

  けれども、结花は小岛に言われるままシャーレーを受け取ると、手术室の端に置いてある大ぶりの瓶にその块をポトリと落としました。すると、中の液体と反応するかのように激しい白烟を出し、どんどん溶けていくのが分かります。

  「あれは、浓硫酸液だ。これで、睾丸は全て溶けてなくなる。つまり、彼の男性としての机能は二度と再び戻ることはない。」

  小岛の冷淡で事务的な説明が続きます。そして看护士からメスを受け取ると、结花に手渡し、眠っている私の下半身に顔を近づけながら、なにやら説明をし始めるのです。その様子を冷たい笑みを浮かべながら眺めていた凉子も彼らに近づき言いました。

  「ほら、见て。结花さん、彼のオチンチン。ね、こんなに小さいのよ。自分では、クリちゃんだって思ってるの。まあ、そう见えなくはないけどね。でも、これじゃ、あなたとエッチなんて二度とできないわよねぇ。だけど、これもみんな、彼の望みなのよ。わかったでしょ。フフフ・・・」

  「ホントね、凉子さんの言うとおりだわ。こんな小さくなってるなんて・・・。それも、自分からそうして欲しいなんて。そう言えば、テープの中でも言ってたものね。早くオチンチン取って、本物の女の子にしてって。それで、いっぱいいっぱい、男の人に爱されたいって・・・もう、この人は私の知っている直树さんじゃないのね。きっと・・・」

  私は结花の口からまるで私への决别を决断したかのような言叶が出るのを信じられない思いで见つめました。けれども、それ以上に冲撃を受けたのは、次に行なわれようとしている手术の内容を、小岛が説明した时でした。

  「これから、この患者の阴茎を切り落とし、女性器の形成を行います。あなたにはそれをお手伝いしてもらいます。」

  (な、何を・・・、何を言ってるんだ?こいつらは・・・、结花、结花・・・、だめだ、そんなことしちゃ、だめだぁ・・・。)

  画面は阴部の大写しになり、そして次の瞬间、结花の持つメスがすっかり矮小化した男性自身に静かに入っていきます。

  (ぎゃー・・・や、やめてくれ、结花・・・やめてくれぇ・・・)   

  私は気を失いそうになる自分を必死に抑え画面を凝视し続けました。

  结花は少しのためらいもなく、メスを前后に2、3回动かします。

  小指の第2関节ほどの太さしかなくなっている私のペニスは、いとも简単に切り离されました。

  「よかったわね。直树・・・いえ、奈绪美ちゃん。お望み通り、もう完全に男性とはお别れよ。これからは、私たちと同じ女の子として生きることになるのよ。良かったわねぇ。フフフ・・・」

  结花はそう言い残して、手术台から离れ凉子と二言三言言叶を交わすと、备え付けの椅子に静かに腰を下ろしました。

  この瞬间、私は本当に意识を失い、眠りに落ちてしまいました。ですから、この后の手术の过程を画面を通じて见ることはありませんでした。

第15章-7

  その后、手术は约九时间もの时间をかけて行われました。

  完全に男性器を切除された下半身には、巧みな技术で本物と寸分违わぬ女性器が形成され、胸にはDカップの「豊乳」バストを形作っていたシリコンから、新たにHカップの「爆乳」に造りかえるための生理食塩水パックに入れ替えられました。そして、それまででも十分にグラマラスなラインを作っていたヒップ全体にも、新たに脂肪が注入され、より大きく豊満なラインを作り出したのです。

  また女性的な高い声が出るように声帯を细くする手术まで施したのです。そして胃の约半分を切除し、その空いたスペースに新たに一年间は十分に机能し続ける、高浓度の女性ホルモンの入った小型の容器が埋め込まれました。これにより食が极端に细くなり、女性ホルモンの大量投与による肥満などの副作用を抑え、人为的に作った体型をずっと维持し続けるのが可能になったのです。

  これだけでも私にとっては冲撃という言叶では言い表すことのできないほどの変化だったのですが、悪魔の所业とも言うべき彼らの人体改造はそれだけではありません。

  なんと下腹部には、病死した若い女性の子宫と卵巣が移植されたのです。このことは、つまり女性が味わう生理の烦わしさと妊娠の恐怖を、男である私に与えたことに他なりません。さらに巧みな医术で形成された女性器の付近には、ボタン电池大の小さな电磁波を送るためのリモコンの受信机が埋め込まれ、阴核の皮肤の除去も施されたのです。

  私は当初、受信机の存在と阴核皮肤除去という手术が行われたことを知らされていませんでした。それがわかったのは、退院后のことです。电磁波の送信机のリモコンは、村井たちの手中にあり、そのスイッチを押すことで新たに形成された女性器を电磁波が刺激されると、言うまでもなく激しい性欲に袭われことになったのです。しかも阴核皮肤の除去により、敏感になった女性器はわずかな刺激にも反応し、自分の身体を自分でコントロールできないほどの性欲の高まりを强制的に与えられることになったのです。

  そしてだめ押しとも言うべき人体改造が、なんと结花の提案により加えられたでした。

  手术后、意识を回复した私の前には、それまで一度も见せたこともない冷淡な表情を浮かべながら立っている结花がいました。

  结花はしきりにくぐもったうめき声を上げる私に向かって淡々とした口调で言ったのです。

  「あなたは、もう完全に奈绪美ちゃんになったのよ。でもね、私にとっては、好きだった直树さんの面影が残った顔を见るのはつらいの。だから、先生に頼んで、整形手术をしてもらったわ。あなたの顔、肿れが引いて、包帯をとったら、きっと、惊くでしょうね。でもね、それがあなたにとっても、私にとっても、一番いいと思うのよ。あなたも望み通りに女の子に生まれ変わったんだから、人生をやり直す意味でも、全く别人になった方がいいでしょ。」

  (结花、ちがうんだ、君は误解してるんだっ・・・)

  私はありったけの大声で叫ぼうとしましたが、顔全体を拘束する包帯がそれを许しませんでした。结花の言う「顔の整形手术」が果たしてどのようなものなのか、抑えようもない恐怖心が沸き上がってきました。

第15章-8

  私が新たな自分の顔と対面したのは、それから约十日后のことでした。

  不安と恐怖とで押しつぶされそうになりながらも、包帯が外された私の顔が写っているはずの镜に向け、私はゆっくりと视线を向けていきました。

  「こ、これは、一体・・・・ど、どういう・・・」

  私はほとんど意识のないまま、声にならない声を上げました。と同时に自らの身に起こった二つの大きな変化を知ることになったのです。

  一つは声のトーンでした。自分の口から発せられたとは思えないほどの甲高い细い声が病室に响いたのです。

  「あーあー・・・な・・・なんだ、こ、これは・・・ああー」

  私はまるで発声练习でもしているかのように何回か声を出しましたが、やはり驯染みのある元の声は戻ってきません。

  そして声の変化以上に惊いたのは、言うまでもなく、まるで别人と言えるほどの変化を遂げた自らの顔でした。

  目を丸くして惊いた表情でこちらを见つめ返している顔は、中学生と见まがうほどの童顔の美少女のそれでした。それはまるでテレビから抜け出した美少女アイドルと见まがうほどでした。

  私は、重なり合う二重の惊きに言叶も出ず、黙りこんだまま、镜を凝视していました。

  「どう?奈绪美ちゃん、気に入った?私も惊きだわ。こんな可爱い女の子になって・・・。それに、声もすてき。ね、これって、结花さんの提案通り?どう?结花さん。」

  凉子の问いかけに応じるように、すっかり表情も落ち着いた结花が口を开きました。「ええ、思った通り。これなら、直树さんのことを思い出すこともないわ。直树・・いいえ、奈绪美ちゃんも人生をやり直すのにいいじゃない。子供の顷に戻ってね。これからは私も奈绪美ちゃんのこと可爱い妹として扱ってあげるわ。だから、私のことも结花お姉様って呼ぶのよ。いいわね? フフフ・・・」

  「な、なんて、ことをしてくれたんだ・・・结花・・・君はだまされてるんだぞっ・・・。」

  私は精一杯の叫び声をあげましたが、それはあまりに甲高く、少女が无理に男の口调を作って凄んでいるようにしか闻こえません。

  「あらぁ、何言ってるの、今更・・・・。望み通り女の子に、それも、アイドルみたいに可爱い顔になったんだもの。そんな男言叶を使ったら、おかしいわよ。奈绪美ちゃん・・・」

  结花はそれだけ言うと冷たい笑いを残して、凉子と共に部屋を出て行ったのです。

  凉子にとっては、本当なら憎しみの対象であるべき结花ではありましたが、その时の二人はまるで私という共通の敌がいることで、妙な绊が生まれてさえいるようでした。 手术への结花の注文を凉子が承诺したのも、そういう気持ちの表れだったのでしょう。 実は、结花の注文は顔の整形だけではなかったのです。结花は、少女らしい顔立ちに似合うように、身长も小柄にできないかと言い出したそうです。つまり顔立ちだけでなく、高野直树としての全ての面影を消し去り、完全に自分の「妹」」としての存在にしたかったのです。そのために自分よりもまた凉子よりも低い身长が望ましいという要望を出したのでした。

  执刀医の小岛は当初、难しいと断ったそうですが、幸い结花は168センチで凉子も164センチと女性としては比较的大柄です。ですから、私の172センチの身长を大幅に缩小させる必要もなく、何とか160センチまでならと渋々承诺したそうです。

  小岛は、私の肋骨を含む骨格の一部を除去し、手足の长さは変えずに、ほほ意図した身长にすることに成功しました。このことにより、身体全体としてウエスト部分が上に上がり、より脚の长いほっそりとした少女の姿ができあがったことになります。ただ、手足のしなやかさと、幼くいたいけな容貌とはあまりにもかけ离れたイメージを醸し出す部分がありました。それは爆乳ともいうべきHカップのバストと豊満なヒップライン、そしてそれを强调するかのようにギュッと引き缔まったウエストラインでした。 

  第三者から见れば、ロリータフェイスにアンバランスな豊満なボディを持つ美少女アイドルのような魅力的な姿に映るかもしれませんが、それはまさに私自身に强制的に与えられた姿であり、逃れることのできないことだったのです。その冲撃が言叶では表せないほどであったことは、皆さんもきっとご理解いただけると思います。

第16章

  约半月もの长期入院の后、私は完全に生まれ変わった姿で、忌まわしい屋敷に戻ったのです。入院した时とは変わって、かつての恋人だった结花も加わって・・・・。

  病室を出て病院の长い廊下を歩いていた时、私は改めて自分の身长が十二センチも低くなったことを実感しました。入院时に通った时とは周囲の光景が违って见えるのです。それにそばにいる凉子と结花に向ける视线は、自然と见上げる角度に変わっていたのです。私は残酷な现実に、悲しさと悔しさを隠すことができませんでした。

  けれどもその时、そんな感伤的な思いを打ち消すかのような出来事が私の身体に起こったのです。病室を出たときに感じた、下腹部のかすかな违和感は、廊下の中程まで达したとき钝い痛みとなって袭ってきたのです。私は退院の手続きを行っている凉子たちに黙って近くのトイレに駆け込んだのです。もちろん、女子トイレにです。

  私にはもはや女子トイレに入ることはごく自然なことになっていました。それは三ヶ月前に屋敷に足を踏み入れた日から习惯になっていたからです。それに去势手术を受けてからは、私自身男子トイレで立って用を足すことを避けるようになっていました。と言うのも立って用を足す姿势を取ると、いやがおうにも矮小化したペニスを指先でつまむときの惨めさを味わなければならなかったからです。そのために、いつしか洋式の便座に腰挂け、用を足すようになっていたのです。

  ただそれでも、手术后全身の拘束具が外され、初めて自らの足で女子トイレに行き、洋式便座に腰挂けたときのショックは今も决して忘れることはできません。

  手术前には、たとえ矮小化しているとはいえ男としての証であるペニスが残っていて、それがかすかな希望の光にもなっていたのですが、そこに现れたのは精巧に仕上げられた女性器そのものだったのです。私は思わず両の瞳を坚くつぶり、袭いくる尿意に抗いました。その変わり果てたその部分から放出される光景を目にしたくなかったからです。 しかし次の瞬间、限界に达した尿意は堰を切ったように放出を始めたのです。私は女性は男性よりもトイレが近く、尿意も我慢しづらいというこという话を思い出しました。私はその「トイレが近い」存在になってしまったのです。

  私はうっすらと目を开け、便器に打ちつけられる奔流に视线を向けました。放出される尿の流れは今までの直线ではなく、複数の迸りになって広がっていました。私は本当に自分の身体が女になったのを実感させられて、その惨めさに思わず大声を上げて泣き出したのでした。

  そしてその屈辱感から逃れるために、できるだけ水分の摂取を避け、尿意が袭ってくるのを抑えようとしましたが、そんなことは全く无駄な抵抗でした。どんなに水分を取らなくても、日に数回はどうしても避けることはできませんでしたから。

  私は徐々に激しさを増した钝い痛みに袭われながら、パジャマの下とショーツを膝下まで下げると便座に腰挂けました。とその瞬间便器の透明な水に、小さな赤い点が落ちたのが见えました。

  (え? なんだ? これ・・・? もしかして・・・血?)

  私は背筋が冻る思いがしました。そして自分の身に何が起こっているかを确かめるために、そっと自らの新しい『女の部分』に指先を触れてみました。ヌルっとしたなま暖かい感触が指先から全身に走りました。

  (血だ・・・やぱり・・・)

  指先には明らかに赤い血が付いていたのです。

  (どうしたって言うんだ? もしかして・・・これは、生理・・・?)

  私はあまりの冲撃に身体が冻りつきそうでした。しかし同时にそれを大きく否定する自分がいました。

  (そんなはずはないじゃないか。だって、生理は・・・)

  そうです。いくら巧妙な技术で作り上げた女性器を持ったとしても、生理を迎えるためには子宫や卵巣といった完全な女性器官が必要だということは、男の私でもわかっています。

  まさかその时自分の身体に本物の女性器官が移植され、本当の「生理」を迎えていたなどということは、想像もしていませんでした。

  (そうだ、そうに决まっている。生理のはずがない。これは手术后の出血だ。そうに决まってる。)

  私は自分に言い闻かせ、再びパジャマを上げると受付に戻りました。もちろん、その间も钝い腹痛は断続的に続いています。

  受付に戻ると凉子たちは退院の手続きを済ませ、私が戻ってくるのを待っていました。私は凉子に近づき、どうやら手术后の影响で出血があり、そのために腹痛がするので、少し休ませて欲しいと告げました。凉子も、それなら少し休んでからにしましょうと言ったのです。ただ、その时の凉子の口元には、何かを悟ったかのような冷たい笑みが浮かんでいて、同时に结花に意味ありげな视线を送っていたのに気づきました。

  幸い腹痛は三十分もすると収まりました。私は念のためもう一度トイレに行きその部分を确かめました。出血は完全に収まっていて、ショーツのステッチ部分の赤い染みもかすかなものでした。私はホッと胸をなで下ろしました。生理などという现象はあり得ないと思っていた私には、それは手术の失败という恐怖が晴れたことへの安堵感でした。 けれど、それは生理以外の何物でもなかったのです。ただ手术后间もないこともあって、移植された子宫と卵巣の働きがまだ不十分であったため、ごく少量の出血で终わっただけのことだったのです。

  そんなことを知るよしもないまま、村井の运転する车で屋敷へと戻り、部屋に通された私は倒れ込むようにベッドに入りました。とにかく目を瞑り眠ろうと思ったのです。けれども眠ることなどできません。

  私は何度も寝返りを打ち眠ろうと努めました。けれども、そうすればするほど身体的な変化に改めて気づかされ、头の中に恐怖と不安が涡巻き、目が冴えてしまうのです。特に、仰向けになり胸に手を置いた时に感じる、とても自分のものとは思えないような巨大な乳房の波打つような动きと、その重量感に息苦しささえ感じるのです。私の瞑ったまぶたの端からは几筋もの涙が伝って落ちるのがわかりました。